「…めくっていいよ」
M希ちゃんはコートの前を開けると、俺に言った。
女の子の方からスカートをめくれと言われた経験は、当然ない。
それでも、慣れない手つきで俺はM希ちゃんのスカートに手を掛けた。
「…めくっていいよ」
M希ちゃんはコートの前を開けると、俺に言った。
女の子の方からスカートをめくれと言われた経験は、当然ない。
それでも、慣れない手つきで俺はM希ちゃんのスカートに手を掛けた。
何年在学していても、この辺り一帯に漂う海からの潮の匂いには違和感があった。
ただ、それも貴重な思い出のひとつには違いない。
M希ちゃんと帰った道々で、日々嗅ぎ続けた香りだ。
潮の香りと、工場町から遠く聞こえてくる重々しい金属音は、彼女との帰り道には欠かせない要素だった。
もう十年以上前のことだ。
卒業式を一週間後に控えた日、俺はある同級生の女の子に告白した。
その子とは部活でずっと三年間相方のような付き合いをしてきたから、満を持しての告白とはた目からは見えるだろう。
ただ、俺自身はその告白が成功するとはまったく思っていなかった。
「CAのおま●こ、か…」
「あれ、どうしたんですか?このお店、CAの子、多いんでしょう?」
「そうなんだけど、気持ちの問題だからね。CAのおま●こだと思うとね、何人見たってぐっとくるんだ」
「そういうものなんですか…?」
「ははは、まあ、そういうものだと思ってくれよ」
CAをやっている本人としてはピンとこない話だったけれど、男の人からしたらそういうものなのかもしれない。
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数日間、あたしは迷いに迷った。
もし予想が正しいとしたら、いくらなんでもバカにしすぎだ。先輩に抗議しようかとも思ったくらい、憤慨した。
ただ、そう思いながらも、あたしは抗議はしなかった。憤慨する一方で、先輩の見立ては、あたしの内心を言い当てていたのは間違いなかったからだ。
本当にすごいと思う。接客業だから空気を読むのは得意だけれど、それでもちょっとした表情だけでそこまで内心を読みきれる人はそうそういない。
しかも、メモを渡したのは先輩にとってリスクでしかない。
それを冒してまで、善意でおぜん立てしてくれたのは確かだった。
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