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ナースの寝取り体験談…彼氏を奪われ続けた私のささやかな復讐(前編)

看護師をしています、29歳の女です。
一度は実家近くの病院で就職したんですが、職場でいろいろあって転職して、この地方にやってきました。
その当時あったことを、今日はお話しようと思います。


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わたしは子供の頃からナースに憧れていたので、看護学校を卒業したときは嬉しかった。
目標がかなった喜びでいっぱいでした。
就職先の病院も決まっていましたし、あとは頑張るだけだって思っていました。

だけど、仕事についてすぐに、理想と現実の違いが見えてきました。
とはいっても、仕事そのものの話ではありません。
よくある患者さんとのトラブルとか、ハードな環境とかは確かに辛かったですが、それは最初から分かっていましたから。
わたしがつらかったのは、むしろ病院内の人間関係だったんです。
婦長は絵に描いたようないびりタイプでしたし、同僚の看護師たち同士も、どこかしらギスギスした雰囲気。
先生たちも冷たい雰囲気を全面に出している人たちがほとんどという環境です。
患者さんたちに影響が出るようなことこそなかったですが、新人ナースであるわたしにとっては針のむしろでした。

そして極め付けが、高校時代まで一緒だった同級生のS奈が、なぜか職場にいたことです。
高校時代には、彼女が看護系志望なんて一言も聞いたことがなかったのに。

わたしは以前からS奈が嫌いでした。
何が嫌いって、この子、人が好きになった男を片っ端から横取りしてしまうんです。
あそこまでいくと、そういう体質としか言いようがありません。
被害にあった子は何人もいましたが、わたしもそのひとり。
高校時代に付き合った男の子を2人とも彼女に寝取られてしまったんです。
あまりにあんまりで、意識的にやってるとしか思えませんでした。

でも、S奈は高校の中でも目立った子でしたし、派閥も作っていました。
一方、わたしにはそんなものはありません。
高校って世界がせまいじゃないですか。
一旦目をつけられると、すごい陰湿ですから。
なんとか卒業までしのぎ切るには、穏便に済ませるしかありませんでした。
S奈の顔を廊下で見かけるだけで吐き気がするほどでしたが、わたしはなんとかくやしさを抑えて乗り切ったんです。

そんな関係でしたから、最初に白衣を来たS奈を見たときは動転しました。
まさか、こんなところまで来て出会ってしまうなんて。
不安が頭をよぎりました。

その不安は、残念ながら的中しました。
当時わたしにはつきあっていた彼氏がいたんですが、その人がたまたま病院に寄ってくれて、勤務が終わった後立ち話をしていたんです。
その時、「あれ、なにやってんの?」と後ろから声を掛けられたんです。
S奈でした。

この時点で、まずいと思いましたが、その日は少し挨拶しただけで終わりました。
ですが、それで安心したのが間違いだったんです。
どこで接点を持ったのか、その後しばらくして、S奈はまたもわたしの彼氏を奪ってしまったんです。
彼氏から別れを切り出されたときは唖然としました。
S奈の体質は、以前とまったく変わっていなかったんです。

ですが、S奈に歯向かうわけにもいきませんでした。

わたしが一度浪人したせいもあって、職場ではS奈はわたしの先輩でした。
立場が違うのは当然として、彼女はこのギスギスした職場の中でさえ、人に取り入ったりしてしっかり地位を築いていました。
なにより、彼女は要領の良さが飛びぬけていて仕事もできましたから、なおさらです。
一方でわたしはごく平凡な新人。
ここで問題を起こしたら、どうなるかは目に見えていました。
わたしは悔し涙をのんで、この件を忘れることにしたんです。

ちなみに、奪われた彼氏ですけど、数ヶ月でS奈にあっさり捨てられたそうです。
よりを戻す気には到底なれませんでしたけど。

その1件以来、ただでさえつらい毎日が、ますます苦痛になりました。
ですが、こんなことで職場をうつるのも悔しくて、わたしは歯を食いしばるように日々を送っていました。

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そんな毎日が続いて2年が過ぎたころです。
その頃、S奈は病院にいた若い医師と付き合っており、職場ではもう有名な話になっていました。
この病院にしてはフランクな人で、C先生といいました。
いかにも軽薄そうでわたしはそれほど魅かれないタイプの人でしたが、S奈の好みには合っていたのでしょう。
彼女にしては珍しく、関係が続いているようでした。

おめでたい話ですが、わたしはそれを、内心イライラしながら見ていました。
なんでこんな奴が、と思っていたんです。

そんなときに、わたしは上司とトラブルを起こしてしまったんです。
もともと立場が弱かったわたしは、いよいよまずいことになりました。
首になったわけではありませんが、すっかり孤立してしまったんです。
事ここに至って、ようやくわたしは転職を決心しました。
どこでもいい。この病院から抜け出せるなら、どんな遠くにでも行く。
非番の日などを使って、他の地方も含めて次の病院を探しはじめたんです。

そんなある日のことでした。
勤務を終えて帰ろうとしていたわたしは、C先生に呼び止められたんです。
飲みたい気分だから付き合ってくれないかということでした。
何故わたしにそんなことを言うのか。
S奈に言えばいいじゃないか。
そう思いましたが、この時点で転職先は決まっていないわたしは、断ることができませんでした。
これ以上職場がつらくなるのは避けたくて、わたしは作り笑顔でOKしたんです。

その飲み屋は、いたって普通のモツ焼き屋さんといった風情のお店でした。
ただ、案内された2階の窓際の席は、仕切りもあってちょっとした独立スペースになっていました。
窓の外にはちょうど川が流れていて、その向こうにはビル街のあかりが瞬いています。
高層ビルのバーみたいなおしゃれなムードは皆無でしたが、ちょっと風流な感じでした。

C先生の意図が掴めないまま、まずは乾杯。
とはいっても、わたしとしてはC先生と話すような話題なんてありません。
仕方なく、軽い世間話からはじめてみました。
ですが、話題について心配する必要はなかったんです。

「…はあ」
「どうしたんですか、ため息なんて珍しいですね」
「いやー…S奈と喧嘩しちゃってさ…」
「ああ、それでわたしを?」
「そういうこと。愚痴のひとつも言いたいわけよ」

最初はそれこそ浮気でもするつもりなんじゃないかと警戒していたんですが、どうやら違ったようです。
それに喧嘩したというのは本当だったと思います。
言われてみれば、S奈は数日前から機嫌が悪かったですから。

その後しばらくわたしはC先生の愚痴に付き合いました。
どうみても受け流すのが得意そうなC先生が参っている様子は意外でした。
でも、S奈は気が強いですから、それもわかる気がしました。

ただ、それを聞かされるわたしの方はたまったものではありません。
喧嘩の話とはいえ、S奈に色々含むところがあるわたしにとっては痴話喧嘩にしか聞こえず、ノロケ話とさほど変わりませんでした。
聞いているうちに、わたしは内心イライラし始めたんです。
とはいえ、それを表に出すわけにはいきません。

「またまた、C先生だったらそのうち仲直りできますよ」
「…まあ、そうだとは思うんだけどさ。」

そんなやり取りをしながら、ふと彼の目線が微妙に泳いでいるのに気づきました。
具体的に言うと、目線がちょっと下の方に向いていました。
ときたま、私の胸のあたりを目線に入れている感じです。
意図的にじろじろ見るわけでもなし、この程度なら私としては別に構わないんですが…
内心捨て鉢になっていたわたしは、お酒が入っていたこともあって、つい突っ込んでしまったんです。

「…なに胸見てるんですか?」
「あ、あれ、気ぃついた?」
「…そりゃわかりますよ。女って鋭いですよ?」
「ああ、そうだな。うわー、遊んでた頃のクセが出たわ」
「遊んでたんですか?」
「見りゃわかるだろ」

やっぱりこの人、そういうつもりなのかなと思ったんですが、その割には誘ってくる気配はありません。
彼の雰囲気からして、いつ誘ってきてもおかしくないのですが。
ですが、いくら捨て鉢だからといって、さすがにそこまでは踏み込めませんでした。
この話は濁して流そうと思って、わたしは言いました。

「きっと、S奈と仲直りすればそのクセもおさまりますよ」
「まあなあ、S奈と付き合いだしてからはご無沙汰だしな」

なんだかんだ言っても、S奈のことが気になっているようです。
そう思ったとたん、突然ドロドロとした感情が沸き上がってきました。
何故、わたしだけがバカを見なくちゃいけないのか。
そして、ひらめいたんです。

どうせ辞めるなら、このS奈の男を寝取ってやることはできないだろうか。
黒い考えが、わたしの中に広がっていきました。

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