俺が以前在籍していた部署は、もともと出張がやたら多かった。
その中でも、俺は多分出張回数ではトップクラスだっただろう。
[the_ad_placement id="%e8%a8%98%e4%ba%8b%e6%9c%ac%e6%96%87%e4%b8%8a%e9%83%a8%ef%bc%88more%e7%9b%b4%e4%b8%8b%e3%83%bb%e3%82%b7%e3%83%a7%e3%83%bc%e3%83%88%e3%82%b3%e3%83%bc%e3%83%89%e3%81%a7%e4%bb%bb%e6%84%8f%e8%a8%ad"]
行先は、本社から遠く離れた地域の子会社だ。
あまり詳しく言うと問題があるので、西日本というところまでで留めさせてほしい。
そこは本社との仲もあまりよくなく、みんな行きたがらないあまり俺にお鉢が回ってきたのだ。
だから、俺は月に最低2~3回はその出張のために、飛行機を利用していた。
割と空いていることも多い路線だから、その中では常連客と言って良かったと思う。
何故その子会社が本社と仲が悪いかというと、よくある扱いの差という奴だ。
なかば無理矢理吸収合併した上にそれだから、現場の人間の感情が悪くなるのはむしろ当然だった。
だが、どこの会社でもそうかもしれないが、上の人間にとってはそんなことは知ったことじゃない。
何か問題が起こった時でさえ、何とかしろの一点張りだった。
だから、当然子会社の感情は悪化の一途をたどっていた。
そんな子会社への出張というと、苦痛だったんじゃないかと思うだろう。
もちろん苦痛だった。気まずさには耐えがたいものがあった。
ただ、そんな出張でも、俺にとっては本社にいるよりは遥かにマシだったのだ。
何しろ、本社だって決していい環境じゃなかった。
もちろん、出世組や要領のいい奴、それに営業成績のいい奴…そういう連中にとっては、天国だったかもしれない。
だがその分、それ以外の人間にとっては、針のムシロだった。
そして、俺は残念ながらそちら側の人間だった。別に不真面目にやっているつもりはないし、それなりに役に立っていたつもりではあったが、本社の基準ではそうでもなかったらしい。
扱いが露骨に違うのはもちろん、厄介ごとの押し付けや感情的でしかない叱責は、俺をどんどんと疲弊させた。
件の出張もそんな流れの中で押し付けられた厄介ごとの一つだったわけだが、一度行ってみて俺は印象を改めた。
いくら反感を持っていても一応理屈に即して話をしてくれる子会社の連中との付き合いは、辛くはあったが、理不尽さは感じなかった。
本社の連中よりはまだ遥かに接しやすかったのだ。
それに、子会社との話さえ終われば、現地のメシも食えるし、酒も飲める。
単純に本社の圧迫感から逃れられるうえに、会社もちで遠く離れた地に旅もどきのようなことをさせてくれるわけだ。
そう考えたら、俺にとってはこれほど魅力的な仕事はそうなかった。
だから、ほどなく俺は出張の日を心待ちにするようになった。
さて、長々と愚痴を述べてしまったが、俺がこの出張を楽しみにしていた理由は、実はもう一つあった。
俺が使う飛行機で出会うことの多かった、あるスチュワーデスだ。
Y崎さんという女の子で、スチュワーデスにしては背も少し低めだったけれど、それを補って清楚な顔立ちが目を惹いた。
いつもいつもとまではいかなかったのだけれど、それでも数回に一回の頻度で彼女とはその路線で顔をあわせた。
後で聞いたところでは、スチュワーデスという仕事は乗る路線もどんどん変わるらしい。
だから、それはたまたま運よく出会えているに過ぎないのだろう。
けれど、そのたまたまが俺には大きかった。
最初に見かけたときから、俺にとって彼女は気になる存在だったのだ。
何しろ、スタイルが完全に俺のツボそのままだった。
清楚な顔も俺好みだったが、その顔に似合わず、まるでそこだけ別物のように飛び出した胸の膨らみは、見ているだけでぞわぞわするものを感じた。
制服のサイズを合わせてはいるのだろうが、それでもその巨乳はギリギリ服の中に収まっている感じで、いかにも窮屈そうだった。
お尻もその胸に負けず劣らずいい形だった。大きいのだけれどいい具合に丸みを帯びたお尻は、彼女が腰をかがめるたびにパンティラインをスカートの生地にしっかりと浮き上がらせた。
それでいて、ウエストはしっかりきゅっと締まっているのだから、いったいどういう努力をしたらああなるのか、男の俺からしても不思議なくらいだった。
俺は彼女が機内の販売に回ってきたときには、ここぞとばかりに注文を出し、座席の側でテキパキ働く彼女の身体のラインを堪能した。
運よく彼女のパンティラインを拝めたときには、それだけであらぬ妄想が脳内に広がり、幸せな気持ちになった。
出張にかこつけてなんとか気持ちをごまかしてはいたが、ストレスで胃が痛くなることも少なくない俺にとって、彼女が魅せてくれるささやかなお色気は、いつの間にやら意欲の維持の上でも欠かせないものになっていた。
[the_ad_placement id="%e8%a8%98%e4%ba%8b%e6%9c%ac%e6%96%87%e4%b8%ad%e9%96%93%e9%83%a8%ef%bc%88%e3%82%b7%e3%83%a7%e3%83%bc%e3%83%88%e3%82%b3%e3%83%bc%e3%83%89%e3%81%a7%e4%bb%bb%e6%84%8f%e8%a8%ad%e7%bd%ae%ef%bc%89"]
そうこうするうちに、思いがけないことが起こった。
彼女の方も俺の顔を覚えてくれたのだ。
ある日、いつも通り座席に座っていると、彼女がコーヒーを運んできた。
注文しようとしたその矢先に、彼女の方が口を開いたのだ。
「今日もホットコーヒーですか?」
「え?」
面食らった。
いくら空いている路線とはいえ、そこらじゅうの路線で飛び回っているだろう彼女にとって、俺なんかは大勢の客のうちの一人にすぎないはずだ。
だから、彼女に覚えてもらえるなんて、俺自身まったく期待していなかったのだ。
「あ、失礼でしたら申し訳ありません。いつもホットコーヒー注文されるから、今日もかなと思いまして」
「い、いえ、失礼なんてとんでもない!ご推察のとおりですよ」
「いつもありがとうございます。じゃあ、入れますね」
コポコポという音が聞こえ、湯気の立ったコーヒーを渡されるまで、俺はまるで夢でも見ているかのような気分だった。
「いつもこの路線、乗られてますよね」
「ええ、ちょっと固定の出張先がありまして」
「大変ですね。そこまで出張されるとなると、大変なお仕事なんじゃないですか?」
「いえいえ、そうでもないですよ…スチュワーデスさんこそ、大変なお仕事ですよね」
「とんでもない。それに飛行機に乗るの自体、好きですから」
「そうなんですか…」
自分の仕事を好きと言える、そんな経験は、俺にはついぞなかった。
ただ、だからと言ってやっかむ気にはなれなかった。
むしろ、そういって誇らしげに胸を張った彼女の姿は、俺には純粋にまぶしかった。
その姿勢で前に飛び出した今にも弾けそうな巨乳をしっかり目に焼き付けるのは、もちろん忘れなかったが。
一旦覚えてもらえると、機内で会話することも少なくなくなった。
もちろんつかの間ではあったけれど、それでも十分だった。
閑散路線だけに、それくらいの余裕は彼女にもあるようだった。
俺にとって出張の道中はますます楽しい、有意義なものになっていった。
たまたま便がかぶっているだけということはわかっていたが、それでも彼女に会えないとついがっかりしてしまうくらいだった。
ただ、人間の欲というのは際限ないものだ。
一旦そういうところまで認識してもらえたところで、俺は高望みをせずにはいられなくなった。
彼女ともっと親しくなりたいと思ったのだ。
これは別に、持って回った言い方じゃない。本音だ。
もちろん下心がなかったかというと嘘になるが、それはあくまであわよくばに過ぎなかった。
まずはなにを置いても、一緒に飯でも食う程度の仲になりたい。
それだけだった。
とはいえ、こんなことははじめてだ。
どうすればいいのか、勘所がわからない。
これが純然たるナンパならまだ気楽だっただろう。断られたところで割り切れる。
だが、その時の俺にとって、せっかく顔を覚えてもらえた彼女に嫌われることだけは避けたかった。
今思えば、その時既に俺は完全に彼女にイカれていたのだけれど、自分ではわからなかった。
しばらくの間色々迷ったけれど、妙案は浮かばなかった。
それで、結局俺はメモに携帯番号を書いて渡すことにした。
ナンパでよく使われる手だというから抵抗があったが、考えてみればスチュワーデスとコンタクトを取ろうとしたら他にいい手も思いつかない。
もちろん機内で堂々と誘えれば何の問題もないのだが、俺の度胸はそこまで据わっていなかった。
第一、国内線だ。人の目もある。
それでもせめてと思って、「よかったら食事でもどうですか」と、できるだけ下心を感じさせないようメッセージも書き添えた。
それでどの程度の効果があるかはわからなかったが、少なくともホテルの部屋番号を書くよりはマシだろう。
そう思うしかなかった。
渡すまではかなりの逡巡があったが、メモを準備してから何回目のフライトだっただろうか、俺は注文したときに、片手でコーヒーを受け取りながらもう片方の手で、彼女にメモを渡した。
彼女は怪訝な顔をしたが、とにかくは受け取って、他の席へ回っていった。
その後ろ姿を見ながら、俺は年甲斐もなくバクバクと脈うつ鼓動を抑えきれなかった。
急に、後悔が湧いてきた。渡してしまった以上、もう後には引けないのだ。
これで嫌われてしまったら…そう思うと、仕事のストレスまでが一時に押し寄せてきて、俺は危うくパニックになりそうになるのを必死に抑えた。
その日の子会社での仕事は、なんとも冴えないものだった。
ただ、普段は当たりのキツい先方の次長が、この日は妙に柔らかかった。
直接理由を聞いたわけじゃない。だが、俺を気遣ってくれたのは確かだと思う。
何しろ、次長以下、他の従業員までが何事かと俺を見ていたのだから。
それくらい、俺は今にも倒れそうな顔をしていたのだ。
休憩のとき、トイレの鏡で自分の土気色の顔をみてぞっとしたくらいだから。
ホテルに帰るころになっても、携帯に着信はなかったから、俺はもうあきらめていた。
考えてみれば彼女にだって都合もあるわけで、当日かかってこなくても何の不思議もないのだけれど、そんなことを考えるほどの心の余裕はなかった。
俺は一人でやけ酒を煽り、倒れ込むように眠ってしまった。
事態が変わったのは、それから1週間ほどたってからのことだった。
カテゴリ:エロ体験談その他(男性視点)