あたしには、姉がひとりいます。
やさしくて、スタイルもよくて、しかも美人な、一家の自慢の姉です。
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あたしはそんな彼女に対して、小さいころからずっとコンプレックスを持っていました。
顔は別にかまわないんです。あまり似ていませんが、そこそこかわいいくらいには産んでもらえたので。
問題は才能の差でした。
なにしろ、姉は優秀で、何をやらせても平均以上にできてしまうのです。
一方、あたしはというと、何をやっても人並みかそれ以下でした。
そんな調子ですから、大きくなるにつれて親の態度にもはっきりと差が出てきました。
別にかわいがってくれなかったわけではありません。
家庭環境としては、むしろ恵まれていた方だと思います。
ただ、それでも姉に比べると格下扱いなのは確かで、あたしはそれが嫌でたまりませんでした。
姉は性格上そういう扱いを嫌がっていましたが、それがあたしのみじめさをさらにあおりました。
もっとも、姉の立場からみれば、あたしがなぜ出来ないのか、それ自体がまったく理解できなかったと思います。
それはあたしも子供心になんとなく分かっていましたから、反抗もせずおとなしい妹として過ごしてきたんです。
だけど、心にしこりがたまっていくのだけは止められませんでした。
大学受験でも、才能の差はハッキリと出ました。
姉は運動部に打ち込んでおり、どう見ても机に向かっている時間はほとんどなかったというのに、なぜか成績はとてもよかったのです。
当然のように、彼女は一流大学に進学していきました。
実家近くの学校だったのですが、彼女は独立志向がつよく、入学後しばらくしてからアパートを借りて家を出ていきました。
その姿は妹の立場からみてもかっこよくて、順風満帆という感じで、わたしはすごいなあと思うしかありませんでした。
その後、あたしも2年遅れで大学を受験したんですが、三流もいいところの大学が精一杯でした。
勉強しなかったつもりはありません。
帰宅部だったので、彼女以上に机に向かったつもりでした。
だからあの時に悟ったんですよね。
もうこれは、脳みその作りが違うと思うしかないって。
入学後もしばらく落ち込んでいましたが、このままだとせっかく入った意味がありません。
気を取り直して履修も決め、ようやく大学生らしい生活が始まりました。
ただ、困ったのが、ある科目についてでした。
高校時代から興味があって、どうしても勉強したかったんです。
だけど、いざ受講してみたら、科目はともかく、扱うテーマが想像していたのと全然違っていたんです。
慌てて似た授業も探してみましたが、扱うテーマが一致するものはありませんでした。
諦めきれなかったあたしは、近くの大学も調べてみることにしました。
もしそういう授業があるようなら、こっそりもぐらせてもらおうと思ったんです。
このままじゃ、進学した意味がない。
必死でした。
色々探してみた結果、少し離れた大学で、理想どおりの授業が聴講生を募集していることがわかりました。
まだ開講期間は先でしたが、値段は十分支払える額で、これで受けられるなら万々歳です。
ただ、その大学、姉が通ってる大学だったんですよね。
まだ就職活動の時期ではありませんでしたから、姉は学校に来ているはずです。
万が一顔を合わせてしまうと、きっときまずいだろうな。
だけど、もう選択肢はないし…。
数日悩んだあと、あたしは決心して姉の大学に申し込みをしました。
一旦申し込んでしまえば気持ちも落ち着いて、開講が待ち遠しかったです。
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数ヶ月して、とうとう開講の日が来ました。
大教室は、広さからしてあたしの大学とは規模が違っていて、やっぱりすごいなあと感心しきりでした。
はじめて受けたその授業はかなり難しかったですが、それでも感慨深かったです。
こういう授業が受けたかったんだって、授業が終わるまでの間、何回思ったかわかりません。
思い切って受講して良かったって思いました。
1ヵ月ほど出席しているうちに、講義にも慣れてきました。
姉にも出会うことなく、あたしはいつの間にか彼女のことを意識しなくなっていました。
緊張しなくなるにつれて、あたしは周りにも目が向くようになってきたんです。
教室いっぱいの大学生たちはいかにも頭がよさそうで、ちょっとコンプレックスを感じましたが、それに混ざって勉強しているのは悪い気分ではありません。
そして、あたしが当初の目的を踏み外してしまったのも、その頃がきっかけでした。
ある男子学生に、一目惚れしてしまったんです。
その学生は、大体いつもあたしの2列くらい前の席に陣取っていました。
最初の数週間こそ、緊張していたあたしは気づかなかったんですが、ある日ふと前の方に座っている彼が視界に映りました。
そのとたん、ドキリとしてしまったんです。
男の人を好きになったことははじめてではありませんでしたが、こんな絵に描いたような一目惚れははじめてです。
自分でも驚きました。
でも、一度意識してしまうと、どうしようもなかったんです。
気もそぞろで、あたしは授業中、ちらちらと彼の姿を伺ったものです。
でも、そんなことばかりしていても、何がどうなるわけでもありません。
あたしは、何とか彼と友達に、あわよくば付き合いたいと思ったんです。
そのためには、まずは面識を持たないと話になりません。
どうにか知り合いになる方法はないだろうか。
その授業は受講者が多いうえに、その大学の学生にとっては進級単位に直接関わる関係で、大学の授業にしてはかなり席が埋まることで有名でした。
そこで、ある日あたしは、わざと隣の席に座ったんです。
教室に入るタイミングをはかり、不自然にならないように注意しました。
そして、忘れ物をしたふりをして、教科書を見せてくれないかとお願いしたんです。
彼は承知してくれました。
彼と並んで、一緒に一冊の教科書をみてるって思うと、それだけで夢見心地でした。
授業が終わったときに、お礼を言うついでにちょっと世間話をしました。
彼はあっさりと乗ってきてくれ、思った以上に話が弾みました。
むしろ、初対面であることを考えたら意外なほどです。
手ごたえあり。感触は悪くありません。
ちょっと自信がでてきました。
その翌週も、あたしは彼の隣に座って、声をかけました。
さすがにおかしいと思われるかもというのが心配でしたが、彼は気さくに応じてくれました。
それを数週間繰り返すうち、そこそこ仲良くなってきたんです。
彼の名前はTさんといいました。
少し軽い感じはしましたが、すごくさわやかな雰囲気で、気さくな話し方が印象的でした。
歳はあたしよりも2つ上。姉と同い年でした。
何度も話しているうち、話が予想外に盛り上がることも出てきました。
気楽に話せる友人。
見た感じ、彼はあたしのことをそんな感じで受け止めてくれているようでした。
まず、仲良くなるっていう目標は達成です。
ただ、そうはいっても、授業以外で接点がない私には、それ以上仲を深める機会はなかなかやってきません。
仲良くなったのはよかったのですが、そのことであたしはかえって焦燥感に駆られるようになったんです。
だらだらと日が経っていき、どうしようもない気分になっていたところ頃、ようやく絶好の機会がやってきました。
ある日、色々話しているうちに、彼が時々一人で飲み歩きをしているという話になったのです。
ここぞとばかりに、私は一緒に行ってみたい!と申し出てみました。
断られるかな、とも思ったんですが、彼はOKしてくれました。
いよいよです。
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カテゴリ:女学生エロ体験談(女性視点)