飲み当日になりました。
あたしはあえて多少きつめのワイシャツを着て、自分の胸が極力強調されるように整えました。
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さらに、自分が持っている中でも一番短い、ミニスカートを。
これだけだとあからさますぎるので、それに上着を合わせて、多少印象を和らげます。
もちろん、化粧は入念に行いました。
お分かりかと思いますが、普段とのギャップで彼を刺激しよう、という作戦です。
こんな真似をするのは、生まれて初めてでした。
もちろん、自分でもこんなので効果があるのかは微妙だとは思いました。
でも、男性経験が皆無に等しいあたしには、これ以外の方法が思い浮かばなかったんです。
鏡の前に立ち、色っぽく見えるかをチェックします。
分かっていたことだけど、姉と比べると明らかに見劣りする容姿。
でも、鏡に映る姿は、そこそこかわいくは見えるだろうという程度には仕上がっていました。
そこまで準備を整えたところで、少し脚が震えました。
一気に緊張してきて吐き気がこみ上げてきます。
でも、気分の悪さよりも期待が上回りました。
鏡の前で無理矢理作り笑いを何度か浮かべてから、私は玄関を出たのです。
でも、結論から言うと、あたしの心配や不安は杞憂でした。
一緒にカウンターで飲んでいるうちにいい雰囲気になったあたしたちは、そのままホテルに行くことになったんです。
ホテルに入ると、彼にリードされるままにあたしはベッドに押し倒されました。
「かわいいよ」
そういわれながら胸を撫でられたとき、もうどうなってもいいって思ったくらいです。
そしてあたしは、処女を彼に捧げました。
痛かったです。
でも、Tさんはやさしくしてくれましたし、痛さよりも喜びの方が大きかったので、問題になりませんでした。
はじめてみた精液にはびっくりしましたが、でも、あたしと彼の結晶みたいな感じがして、
あたしは初体験直後の痛みの中で、ゴムの中にたまった精液を誇らしく眺めたんです。
「よかったよ」
息を荒げながら彼がそう言ったときは、最高の気分になりました。
こうして、あたしとTさんは、トントン拍子にお付き合いすることになったんです。
はじめてのことなので、こんなにうまくいったことにあたしは単純に舞い上がっていました。
ただ、幸せな毎日は長くは続かなかったんです。
付き合い始めて、1ヵ月ほどたったころでしょうか。
いつもの授業を受けに来たあたしは、大学構内ではじめて姉の姿を見かけたんです。
前を歩いていました。
考えてみればいつ出会ってもおかしくないのに、あたしはびっくりしてしまいました。
ただ、その後一拍おいて、あたしは愕然としました。
姉の隣にいる人。Tさんでした。
もちろん、ただ並んで歩いているだけなら、あたしだって何とも思いません。
ですが、その時の彼らはそうではありませんでした。
手をつなぎ、肩を寄せ合って歩く彼らの姿は、誰がどう見たって恋人同士だったんです。
頭が真っ白になり、気が付いたらあたしは校舎の裏に一人立っていました。
多分、彼らを見ていられなかったんだと思います。
ボロボロと、涙がこぼれてきました。
涙はどうしても止まらず、あたしはとうとう、その日はじめて授業を欠席してしまったんです。
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その週の週末には、デートの約束をしていました。
その日まで、あたしはひとりで色々考えました。
あれはただの友達同士の冗談だったのかもしれない。
なんとかそう自分に言い聞かせようとしましたが、無理でした。
そして、どうにも嫌な思考が沸き上がってきたんです。
あたし、遊ばれたのかな。そう思いました。
姉とあたしのどちらが先に付き合い始めたかまではわかりませんが、姉と同い年、さらに同じ大学です。
普通に考えて、姉の方が先という可能性の方がはるかに大きいのは確かでした。
それに、時期はともかくとしても、姉の方があたしより魅力的なのは間違いありませんから。
残念ながら、それは認めざるを得ませんでした。
姉は一人暮らしだったから、お互いに同じ男性と付き合っているのに気づかなくても不思議はありません。
構内でたまたま出会うことさえなければ、あたしたちが気づくことはないんです。
逆にTさんも、姉があたしの写真を見せたりしない限りは、姉妹ということに気づくことはないでしょう。
第一、彼がそんな危険なことをわざわざするとも思えませんでした。
そうなると、彼にとってあたしは、単に授業で言い寄ってきた都合のいい女だったんでしょうか。
デートの日が来ました。
ホテルに入ってすぐ、あたしは姉妹であることは伏せたうえで、覚悟を決めて問いただしました。
返答によっては、修羅場も覚悟していました。
ですが、彼の反応にあたしはあっけにとられたんです。
期待していた答えが返ってきたわけではありません。
「あ、バレちゃったか」
あまりにもあっさりと、彼はそう言い放ったんです。
その様子は軽いの一言で、重みなんて全く感じられませんでした。
「バレちゃった、って…そんな問題じゃないでしょ…」
「だって、お前の方が乗ってきたんじゃない。いきなり声かけてきて、飲みについてきて、それでホテルだぜ」
「だ、だって…」
「大体お前、好きとも何とも言ったことないじゃないか。それで文句言われてもな」
「あ…」
そうだった。
考えてみれば、あたしはこの時まで彼に流されるばかりで、自分の意思をはっきり彼に伝えた記憶が、まったくありません。
普通のカップルがどうなのかわかりませんが、あたしは寝たこと=お互いのことが好きということと解釈していたんです。
この期に及んで、あたしは自分が致命的なミスを犯したことを悟りました。
もちろん、今考えたら、彼の言葉は詭弁そのものですし、当時だって明らかにうさんくさく聞こえました。
でも、そういわれてみたら、むしろあたしの方が遊んでいたように見えたのかもしれない。
経験のなさが災いして、あたしはそうも思ってしまったんです。
いくら何でも処女がそんなことするわけないし、それくらいはいくら鈍感な男でもわかるはずなんですが、そんなことまで気が回りませんでした。
あたしはすっかり毒気を抜かれてしまったんです。
なかば呆然としながら、かろうじて聞き返しました。
「で、でも…あの彼女のことはどうなのよ。悪かったと思わないの?」
「だって俺男だし。誘ってこられたらそりゃ乗るよ。生物学的に仕方ないじゃん」
「は…?」
「大体、勝手に言い寄ってきたお前がそんなこと言っても説得力ないだろ」
今度こそ、あたしは本気で呆れました。
もう、怒る気も泣く気も失せていました。
自分の気持ちが一気に冷えきるのがわかりました。
彼が続けます。
「まあ、彼女には悪いと思うけどなあ。でも、あいつもロクにさせてくれないしさ。まじめすぎるんだよなあ…だから仕方ないんだよ」
あんまりな言い分です。
なんて人だろう。
あたしは、なんて人を見る目がなかったんだろう…
後悔しかありませんでした。
ただ、言い訳を続ける彼を見ながら、だんだん妙な感情が湧いてきたんです。
今考えても、自分の性格の悪さがわかります。
それは、姉を見下げる感情だったんです。
姉は、こんなどうしようもない人と付き合っている。
しかも、自分の妹と浮気されてしまうくらいに、彼氏に軽く見られている。
その事実が、あたしには気持ちよかったんです。
今思うと、せめて自分のプライドを守ろうとする、あたしの心の自己防衛だったのかもしれません。
でも、少なくともその時のあたしは、姉への哀れみのような優越感に浸っていました。
多分、その結果だったんでしょう。
あたしはそのとき、今考えると、やけくそとしか思えない行動に出たのです。
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カテゴリ:女学生エロ体験談(女性視点)