某地方都市のデパートで働いています。
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あたしの所属してる売り場は、マネキンさんがいるような売り場とは違って華やかさはないんですけど、その代わり規模が大きくて、いろんなメーカーさんとの取引があります。
そのせいか、売り場の模様がえなどの時には、何社かのメーカーの営業さんが自主的にお手伝いにきてくれるんですよ。
多分仕入れの印象を少しでも良くしたいってことなんでしょうけど、理由はどうあれすごく助かってます。
セールの前後などは一晩で売り場のレイアウトを変えるしかないことも多いので。
それで今回の話ですが、もう結構前のセールの時のことになります。
その時の準備にも、顔見知りの営業さんが何人かお手伝いに来てくれました。
ただ、この時はメーカーさんにとっても忙しい時期で、人手がたりなかったんです。
普段よりはだいぶ少なくて、2人だけでした。
それに、ひとりは外せない用事があったので早々に帰られて、残ってくれたのはもう一人の人だけ。
もちろん助かるのは変わらないんですが、それでも一人一人の労力は重くなります。
結局、レイアウト替えがようやく終わったときには日が変わる寸前でした。
最後まで残ってくれた営業のSさんには、あたしも入社以来お世話になっていました。
当時はまだ社員の端くれという感じだったあたしにも良くしてくれて、色々アドバイスも頂いていました。
「本当に今日はすみませんでした」
「いえいえ、うちの商品を売ってくださればチャラですよ」
彼の会社の商品は売れ行きも良かったので、別にここまでしてくれなくても取引に問題はなかったはずなんですが、彼はあっけらかんといいました。
気がいい人なんですよね。
そのとき部長からお声がかかりました。
いくらなんでもこの時間までいてもらってこのまま帰したのでは申し訳が立たない。
軽く宴席を設けましょうという事でした。
次の日休みだというSさんには嬉しい話だったみたいです。
この深夜に本社まで車を飛ばすというのもつらいでしょうし、何よりSさん、飲み会みたいなにぎやかな場が好きなんですよ。
もっとも、残っていたメンバーは限られていましたし、明日が早い人もいましたから、参加者はあたしと部長とSさんの3人だけでした。
酒宴と言ってもごくささやかなものです。
内心を言えばあたしもすぐ帰って寝たいくらいだったんですが、一応社員です。
ここまで来て帰るわけにもいきませんでした。
飲み屋に入り、3人で乾杯しました。
「いやー、それにしても部長、今日は大規模でしたね」
「売り時なんですよ、店長も気合が入ってまして」
「じゃあ、明日から大変ですね。売り上げ上がるといいですね」
「本当に。…おい、お前もくれぐれも遅れるなよ?あ、昼番だから大丈夫か」
「は、はい、何とか…」
「返事は歯切れよくな」
「はい!」
あたしもまだひよっこですから、部長には頭が上がりません。
かしこまって返事をするあたしを見ながら、Sさんは笑い転げていました。
ノリのいい人です。
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1時間くらいたったころ、部長が「カラオケはお好きですか?」とSさんに声をかけました。
「ええ、好きですが」
「もしまだ余裕あるようでしたら、いかがですか。近くにあるんですよ」
「ええ、ぜひ」
あれ、カラオケにもいくのか。
でも、そのころにはあたしはだいぶお酒が入っていて、まあいいかという気分でした。
それに、あたしもカラオケは大好きです。
連れていかれたカラオケ屋は、うちのデパートの飲み会でもよく使われるおなじみのお店でした。
デパガ一同で何回か来たこともあります。
ただ、Sさんとカラオケに入るのははじめてでした。
部長が耳打ちしてきました。
「お前、いいか、Sさんの歌声をよく聞いておけよ」
「お上手なんですか?」
部長はニヤリとして、「まあ見とけばわかる」と言いました。
よく意味が分からなかったあたしですが、曲が始まって納得しました。
別に特別歌が上手いというわけではないんです。
ただ、盛り上げ方が凄いんですよ。
ほんとうにちょうどいいタイミングで替え歌にしてみたり、わざと音を外してみたりといった、パフォーマンスが。
見ているだけで噴き出しました。
気分がどんどんのってきて、疲れもいつの間にか忘れてましたよ。
3人しかいないのに、コントのライブでも見にいってるようでした。
あたしが笑いすぎてひーひー言っていると、いきなり部長が「悪い、ちょっと席を外す」と言って出ていきました。
あれ。部長、どうしたんだろう。
そう思っていると、すぐに部長が戻ってきて、「すみません。女房から呼び出しが入りまして…」とバツの悪い顔をSさんに向けました。
「ああ、そうですね。もう夜も遅いですし」
「本当に申し訳ありません。もしよろしければ、あとはこいつが付き合いますんで」
部長の指はあたしを指しています。
言っている意味はわかりましたが、ひとりで接待したことなんてほとんどありません。
慌てて部長に耳打ちします。
(あの、あたし接待とか全然うまくないんですけど、大丈夫ですか)
(Sさん相手だから大丈夫だろ。悪いんだが、女房が激怒しててな、今日だけ頼むわ)
なまじ盛り上がっていた分、どっと疲れがでてきました。
そそくさと部長は帰ってしまい、あたしはSさんと二人、カラオケボックスの中に取り残されました。
3人ならまだしもふたりとなると、いくらSさんが笑わせるのが上手いといっても盛り上がりに欠けます。
第一、今はあたしが接待しなきゃいけない立場です。
部長が主導権握っていてくれるありがたみがわかりました。
間の悪いことに、部長が入れていた歌を飛ばしてしまうと、入力していた曲のストックがなくなってしまいました。
その歌を二人とも知らなかったので、飛ばさざるを得なかったんです。
気まずい空気が流れました。
Sさんとは付き合いこそそれなりの期間になりますが、職場での付き合いでしかありません。
普段は仕入れの打ち合わせとかもしていましたが、こういう場で話すとなると、何を話していいのか思いつきませんでした。
「あ、あの、お酒でも頼みましょうか?」
あたしの声はかなり上ずっていたと思います。
Sさんは緊張しているのを察してくれたみたいです。
「ああ、いいですね。もう一杯行きましょうか」
さすが営業さんだけのことはあります。あたしも店での接客なら慣れていましたが、別格だと思いました。
ビールとカクテルがすぐに届いて、あたしたちはもう一度乾杯しました。
ごくごくと飲みます。これからどうしよう。
Sさんはお酒には強い人ですけど、もうかなり赤くなっていました。
さっき飲んでまたですから、かなり量を飲んでいるはずです。
これ、もしかしてもうお開きにした方がいいのかな。
でも、Sさん何も言わないし、あたしから言っていいんだろうか。
ぐるぐると考えを巡らせましたが、いかんせんあたしもかなり酔っています。
考えがまとまりません。
「お店入って、結構経ちましたよね」
ふとSさんが話しかけてきました。
「ええ、まだ2年にはならないですけど」
「慣れました?」
「ええ、Sさんにもずいぶん助けていただきましたし」
いつの間にか会話が始まっていました。
でも、あたしとしては大助かりです。
Sさんは話上手なので、会話も転がりますし。
「いえいえ、大して助けたつもりは」
「とんでもない、凄く助かってますよ」
「キレイな子にそういわれると、嬉しいですね」
えーって思いましたが、そういわれると悪い気はしません。
あたしはいい気になって、謙遜しながらも砕けた返事を返しました。
「もったいないですよー。Sさんの奥様もお会いしたことはないですけど、美人なんでしょ?部長も言ってましたよ?」
「いやいや…まあ、自慢の妻ではありますけど」
ふと、Sさんの顔が曇った気がしました。
あ、まずい。地雷踏んだかな。
お茶を濁そうとしたんですが、お酒が入っていたあたしは勢い余ってとんでもないことを口走ってしまったんです。
「またまた、謙遜されちゃってー。そんなに美人さんだと、毎晩Sさんも夢中になっちゃうんじゃないですかー」
この一言が、この後の流れ全部を変えてしまったんです。
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カテゴリ:デパガのエロ体験談(女性視点)