今でも昔の自分を思い出すと、そのたびに頭が痛くなる。
どうして、あんなことをしていたんだろう。一旦そのことが頭に浮かんだが最後、あたしは夜が明けるまで一睡もできないまま繰り返し繰り返し自問自答する。もう十年近く経つというのに、いまだにそのクセは治る気配がない。ここまでくると、持病のようなものだ。
ただ、その自問自答の答えはどんなに考えたところでひとつしかないのだけれど。
バカだった。それだけだ。
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あたしはある地方都市の出身で、学校も地元の公立にずっと通ってきた。
町の名前は名は伏せるけれど、ガラの悪いことで全国的に有名なので、多分どこかで名前くらいは聞いたことがあると思う。
おしゃれな地方に住んでる人には信じられないかもしれないけれど、いまだにリーゼントや、短ラン・長ラン・ボンタンといった古典的な不良スタイルが現役の街だ。
市街地のど真ん中の一等地では、よりによって改造制服のお店が大繁盛している。
ここまで言えば、どういう雰囲気の町かは大体想像がつくだろう。
そんな町でも、学校ごとの差はある。
比較的落ち着いた学校もあれば、暴力事件が多発する学校もある。シンナー中毒者が多いことで有名な学校なんていうのもあった。
そんな中であたしが通っていた学校がどうだったかというと、これが地元でも最悪な評判の学校だった。
もう一度念を押すけれど、ただでさえ改造制服がメインカルチャーという町だ。
そんな地域の中で最悪と言われる学校なわけで、その荒廃振りはひどいの一言だった。
対外的には他の学校の生徒たちが避けるほどの凶暴さだったし、内部的にも、喧嘩はもちろんいじめやリンチが日常茶飯事。
しかも、校内のトラブルが不良によるものだけではないのが恐ろしい。
別にグレているわけでもない普通の生徒でさえ気性が荒く、部活なんかに入った日には、連日の鉄拳と蹴りのオプションがもれなくついてくる。
もちろん教師だって、体罰程度は何とも思っていない人たちが大半を占めていた。
要するに、何につけてもまず殴るのが基本なのだ。
しかも、ヤンキー話によくあるようなお涙頂戴の人情話なんてありはしなかった。
ただ荒んでいるだけの、純然たる掃きだめ。
それが、あたしの母校を言い表す全てだった。
ただ、自分の住む町や学校がいかにひどい環境かを知ったのは、就職して他の町の様子がどんなものかを知ってからのことだ。
学生だった当時、あたしはそんなことはさほど感じていなかった。なにしろ他の環境を知らなかったから、それが当たり前だと思っていた。
特に、学生生活の前半は、あたしはむしろそんな学校での生活を満喫していた。
なぜなら、あたしはわが校の不良の中でも幹部クラスの男子とつきあっていたからだ。
彼の権力は絶対で、あたしは女王様みたいな気分で我が世の春を謳歌していた。
もっとも、そんな毎日は長くは続かなかった。後半は、あらゆる意味でつらかった。
それでも、世の中そんなものだ、仕方がないと思い込んでいたんだから、我ながら呆れてしまうけれど。
今日話すのは、あたしがその、学生生活後半の悲惨な境遇に転落するまでの話だ。
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不良の彼女だったといっても、あたし自身はもともと不良でもなんでもなかった。
せいぜいタバコをこっそり吸う程度だったし、校内の不良たちも最初は怖くてたまらなかった。
ただ、育った環境が環境だ。あたしは、暴れまわる彼らをみて、恐ろしい反面、憧れを覚えていた。なんだかんだで地元に毒されていたから、腕っぷしの強さだけでも惹かれてしまう。
今だったら常識はずれの一言で終わってしまう彼らの姿も、当時のあたしにとってはテレビの中の主人公のように格好良く見えたのだ。
とはいえ、そのまま何も起こらなければ、あたしはビクビクしながらもごく普通の生徒として学生生活をまっとうしていただろうと思う。
決して楽しくなかったかもしれないけど、今に至るまで尾を引くようなことにはならなかったはずだ。
けれど、残念ながらそうはならなかった。
決して派手にしていたつもりはなかったけれど、あたしは不思議と、不良たちの琴線に触れる雰囲気を持っていたらしい。さらに言えば、あたしは頭は大してよくないのに、身体の発育だけは同級生に比べてやたらに早かった。
入学から2か月と立たないうちに、あたしはその不良の幹部に声を掛けられた。
やっぱり怖かったけれど、ひそかに憧れていた集団の一人。それもリーダー格だ。
その上、あたしはただでさえ男子に慣れていなかったから、免疫もなかった。
有頂天になってしまったあたしは、その日のうちに彼と付き合うことになった。
断るという選択肢はいずれにしてもなかっただろうけれど。もしそれをやっていたとしたら、五体満足に学校を卒業できたかも怪しい。
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さっき書いた通り、彼との毎日の前半は、あたしにとっていいことづくめだった。
いや、いいことづくめというのが適当かはわからない。あたしは彼の部屋に入り浸り、生活はどんどん荒れていったからだ。
学校にもたまにしか行かなくなってしまったし、不良の集まりにも出るようになった。
ただ、周囲から恐れられていた不良の彼女という立場は、効果は絶大だった。
誰にも手は出されないどころか、ちやほやしてくれる。
あたしは付き合いはじめてからも髪型を変えたりはせず、せいぜい軽く染めた程度だったけれど、そんな一般人っぽいあたしに不良たちが敬語を使っている様子は、異様なほどだった。
もっとも、後で聞いたところだと、そんな格好だったからこそ逆に不良たちに好評だったらしいけれど。ケバい女の子ばかりの集団のなかでは、普通っぽい外見のあたしは逆にもの珍しかったんだろう。
その頃は、彼自身もあたしには優しかった。
今だから言えるけれど、いくらグレていようと年齢が年齢だ。女性経験もろくにない彼は、あたしが新鮮だったんだと思う。
もちろんあたしはあたしで、彼にすっかり夢中になってしまっていた。
彼との初エッチまではすぐだった。彼のエッチは荒々しくて、痛かった。最初のうちは、セックスするのが彼と付き合う上での唯一のストレスだったほどだ。
今思えば、ただ単に下手だったんだろう。
でも、我慢して何度かエッチしているうちに、だんだん気持ちよくなってきた。
カーテンの向こうから陽の光がうっすら差す薄暗い部屋の中で、テクニックも何もなく、ただ無茶苦茶に腰を振る彼を見ながら、あたしは何度もイった。
学校を休んで、一日中エッチすることもすっかり普通のことになっていた。
そうなったころには、あたしにとって彼とのセックスはしないと落ち着かないほどの楽しみになっていた。
たまに学校にいっても、帰ったらまたしてくれるかな、と思うたびに、制服の下の下着がじわっと濡れてしまう。
そんな日は、彼の部屋に飛び込むように入って、彼に抱き着いた。
そして、制服のまま動物みたいに激しく身体を動かした。
もちろんセックス以外のことだってわくわくすることばかりだった。
彼が連れて行ってくれるいろんな集まりは、それまで普通の生活を送ってきたあたしには異世界そのもので、物珍しかった。
悪いことをしてるっていうドキドキ感もすごかった。
冷静に考えれば相当危ない真似もしていたんだけど、彼とその手下のみんなが周りをしっかり守っていてくれたから、大して怖くはなかった。
あたしはこれまでとは一変した生活を、ただ楽しんでいたのだ。彼がどういうことを校内でしているかはわかっていたけれど、たしなめさえしなかった。
それが、あたしと彼が一番いい関係だった時期の話だ。その頃あたしは、これからも彼との最高の毎日がずっと続くものだと信じて疑わなかった。
けれど、あたしがそんな生活を新鮮に感じられていたのは、結局物見遊山のようなものだったからに過ぎなかった。
彼があたしを守ってくれるという前提があったからこそ、あたしは安全な立ち位置から楽しんでいられた。
極端な言い方をすれば、旅行だとか遊園地で遊ぶのとかと変わらない感覚だった。
逆に言えば、その前提が崩れてしまったら、楽しむどころの話ではなくなってしまう。
もともと度を越して凶暴な集団なのだ。彼女という立場以外は普通の生徒と大して変わらないあたしが、そうなったときどうなるか。
そんな当たり前のことに、あたしは全然気が付いていなかったのだ。
彼の最初の変化は、エッチにあらわれた。それまではゴムをしてくれていたのが、生でするようになったのだ。それに、なんとなく前以上に体の動きが荒っぽくなった気もした。
もっとも、ピルも彼氏がどこからか手に入れて来てくれたから、あたしの手間はなかったし、彼の荒っぽさにはもう慣れていたからあまり気にならなかった。
それに、はじめてのナマのエッチはそれまで以上に気持ちよかった。
膣の中を貫いていく彼のち●ちんのあたたかさが心地よくて、彼が射精するまでの時間が一瞬のことのように感じた。
もっとも、あたしが人並みにカンがよかったなら、この時点で何となく変だと感じたと思う。動きだけをとっても、今思えば荒っぽいというよりただ雑なだけなんだから。
でも、あたしはそれに気づかなかった。彼の変化を、むしろ愛情が深まったのだと感じていたのだ。
どうみたって心のこもっていない彼の叩きつけるような動きさえ、情熱の表れだと思ってたんだから、呑気にもほどがある。
お気楽な生活の終わりは唐突にやってきた。
もっとも、唐突に感じたのはあたしだけだったかもしれない。あたしが気が付いたとき、もう話は進むところまで進んでいたからだ。
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カテゴリ:女学生エロ体験談(女性視点)