「すみません!突然うかがっちゃいまして」
「いえ、構いませんよ。クレームなんですよね」
後輩はやはり不在でしたが、その姉である彼女が家にいたのが幸いしました。
事情は先に電話で話していましたから、話は早いです。
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「ええ、すみません。完全に俺のミスです」
「いえ、あれだけ毎日弟に教えて下さってたらお疲れだったでしょうし…」
姉として何か思う所があったんでしょうか。彼女はすっかり恐縮していました。
「そんなことないですよ。ただの俺の不注意です。それより、申し訳ないんですが…」
「弟の部屋ですよね、こちらです」
資料を探すのは苦労しませんでした。
案内されたその部屋の机の上には、週末に渡した資料がそのまま乗っていました。
かなり見返したようで、順番は乱れていましたが、俺にとっては見慣れた内容です。
揃えなおすのは難しくありませんでした。
そのまま上司に資料の内容を口頭で伝えて、俺はようやく一息つきました。
「本当にすみません、こんな時に弟、いなくて」
「いやいいですよ…だいたい、休日ですから。うちも、普段は日曜にこんなことはなかなかないんですけどね」
「難しいお客さんなんですか?」
「まあ、そんなところです」
この手のことは語らないに越したことはありません。
「それに、そもそも弟さんのせいじゃないですし。帰ってきたら、心配するなって伝えといてください」
「ええ。ありがとうございます。あの子、デート中はホントに連絡通じないんですよね」
「ああ、彼女ですか?」
「ええ。割と長い付き合いみたいですよ。本人は結婚したいって言ってるんですけど、どうでしょうねえ」
やれることはやりましたし、あとは心配するだけ無駄です。
俺は気を紛らわすように話し込んでいたんですが、そこでハタと気が付きました。
二人だけで話すのは、これが初めてなんだ。
皮肉なものでした。あれだけ待ち望んだ機会が、よりによってクレームによって得られるとは。
「でも、弟がうらやましいですよ。こんな先輩がいて」
「いやいや、出来の悪い先輩ですよ…そうでなかったら自宅までお邪魔しませんって」
「そうなんですか?」
「教え下手でしてね」
「それでもうらやましいですよ。あたしの前の職場だと、そんなこと絶対なかったでしょうから」
彼女の前職というのはよほど容赦のない職場だったんでしょう。
顔は笑っていましたが、少しだけ声に陰りというか、憤りのようなものが感じられました。
「まあ、そういう社風ですから。お邪魔するのももう少しだと思いますから、もう少しご勘弁いただければ」
「…もう少し、か」
ふと、彼女が下を向いて口ごもりました。
どうしたんだろうと思っていると、くっと彼女が顔を上げました。
うっすらと笑みを浮かべています。
控えめな印象はそのままでしたが、その表情はどこか、これまでの彼女とは違った雰囲気をたたえていました。
「わたし、ここ一年くらい、弟以外の男の人とちゃんと話してないんですよね」
「そうなんですか?」
失業期間を具体的に聞かされたのは、はじめてでした。
年齢を聞いたことはありませんが、後輩の姉、しかもそれほど年が離れているようにも見えない彼女です。
高めに見積もっても、俺とそう変わらない年齢でしょう。その年齢での求職期間としては、1年というのはいかにも長く思えました。
「ええ」
「もったいない…引く手あまたなんじゃないですか?」
「そうでもないんですよね…色々受けてみたんですけど、どこに行っても受けが悪くて」
「そうは見えませんけどね…」
「でも、そうなんですよ。それはもう、気長に探すしかないんでしょうけどね…」
言葉が途切れました。俺もどう声を掛けていいかわからず、口ごもります。
「でもね…それはいいんです。ただ…ね」
「?」
「これだけ家にばかりいると、それとは別の問題が出てきて」
「?」
「言ったでしょ?弟としか話してないって…」
「はあ…」
「…これだけ会わないとね、男性の身体が恋しくなってくるんですよ…なまじ弟と彼女の話を聞かされる分、余計にね」
外見のイメージと180度かけ離れた、とんでもない発言でした。
けれど、よくよく見れば眼前の彼女の表情は、ますます普段と変わった雰囲気になっています。
すっかり潤んだ大きな目、そして、すこしだけだけれど明らかに紅潮した頬。地の肌の色が白いだけに、余計にめだっていました。
「ねえ…いいでしょ」
彼女は俺の隣に移動すると、すす…と音もなく身体を寄せてきました。
細い肩が、俺の肩に触れます。
くすぐったいような感覚を覚えて下をみれば、細い指が既に俺の身体を服の上から撫でさすっていました。
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「…こういうのは嫌?」
「そ、そういうわけじゃないですけど…」
「…気楽に考えてくれていいですよ…付き合ってくれなんていいませんから」
「…」
俺としてはむしろその方がよかったのだけれど、一度こういう流れになってしまった以上、なんとも言い出しづらい気持ちでした。
「ねえ…弟ばっかり大事にしないで…ついでだと思って、あたしにも構ってもらえません?」
姉弟という関係に憧れたこともありましたが、実はすごく面倒くさいものなのかもしれません。
彼女は、恵まれた弟に対して、複雑な感情を抱いているようでした。とてもそうは見えませんでしたが、彼女なりにコンプレックスはあったのかもしれません。
後輩はハンサムなタイプとは言えなかったですが、その代わりに社交的でいかにも友達の多そうなタイプでしたから。
何はともあれ、彼女はいよいよ身をすりよせてきています。
もう、すり寄るというよりも半ば抱き着いているという方が正確でした。
彼女の手が俺の下半身にかかったところで、俺はとうとう我慢できなくなったんです。
俺は、顔を縦に振っていました。
「あの…」
「なんですか?」
「聞いていいのかわからないけど…こういうこと、お好きなんですか?」
「大好きです」
ひとかけらも迷いを感じさせない返事でした。
「こういう風にね…男の人のベルトを外してあげてる時とか、ゾクゾクしちゃう」
「そうなんですか…?」
「あなただって、女の人の服脱がすの、好きでしょ?」
「ええ、それはそうですけど…」
「おんなじですよ、それと」
「…」
「イメージ、壊しちゃいましたか?」
「い、いえ…」
「嘘ばっかり。おとなしそうって思ってたんじゃないですか?」
「は、はい」
「そうでしょうね。よく言われるから…でもね。ホントはこういう女なんです。中身はこんなものですよ」
俺はまだ戸惑っていましたが、彼女は手際よくベルトを外し、さっさと俺のズボンを取り去ってしまいました。
イメージと全然違う手際よさでしたが、確かに本人の言う通り、こういうことに慣れている手つきではあります。
そう思うと、改めて目まいのような感覚が俺を襲いました。
それまでずっと憧れていただけになおさら。
「んっ…あぁ…たまんない」
俺のトランクスまではぎ取ったところで、彼女は俺の大きくなった物をみて、恍惚とした声を上げました。
「俺、まだ何にもしてないですよ…」
「そういう事じゃないんです。男の人のにおいって、やっぱりいいなあって思って」
「そんなにいいもんですかね…」
「わたしにはたまんないんです…今日、慌ててきたんですよね」
「ええ、走りましたけど…」
「ですよね。汗のにおいがする」
「くさいですか?」
「くさいなんて言っちゃだめ。いい匂いですよ…」
その言葉を最後に、彼女は俺の股間に顔をうずめました。
ものすごく熱い、ねっとりとした口の中の感触が、亀頭を包み込みます。
すまん。
小躍りしても不思議のない状況なのに、俺は柄にもなく、心底後輩に詫びていました。
思い返してみても、あんな心境になったのははじめてでした。
ですが、それでもこれまでふがいない俺についてきてくれた、真面目な後輩の姉です。
向こうから誘われたとはいえ、その姉とこんな形で関係を持つ背徳感は相当なものだったんです。
つい、俺は考えていました。
あいつがもっといけすかない、生意気な奴だったらこんな申し訳ない気持ちにならずに済んだのに、と。後輩にとっては理不尽極まりない話ですが、俺はその時本心からそう思っていたんです。
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カテゴリ:エロ体験談その他(男性視点)